産廃処分場建設反対と跡地問題の解決を求める陳情に対して賛成討論

2016/12/21

12月21日(水)
12月定例会最終日を迎えました。
請願・陳情がいくつか提出されており、その中のひとつに賛成討論を
しましたので、今日はその報告です。
『新たな産業廃棄物最終処分場の建設反対と跡地問題の解決を求める要望書
 先ほど、請願題1号「西尾市一色地区の産業廃棄物最終処分場建設に
反対する意見書の採択を求める請願書」につきまして、経済建設委員会で
委員全員の賛同を持って可決されたとの委員長報告がありました。
 繰り返しになりますが、去る平成26年5月14日の臨時議会におきまして、
西尾市議会として「新たな産業廃棄物最終処分場および関連施設建設に反対
する決議」を議員30名中28名の賛成を持って可決していただき、市議会として
の意見書が愛知県に提出されたことを拠り所に地区住民はそれ以降、様々に
反対活動を展開してまいりました。経験の無いことを手探りで試行錯誤しながら
活動をしてきたというのが実際のところでございます。
 生田地区で始まった署名活動は、一色町全体へ、そして吉良町、幡豆町、
また本年に入ってからは旧西尾市内全域へと大きく展開され、住民団体の
「三河湾沿岸の観光・生活・産業を守る会」は、都合3回、合わせて47,000
筆の尊い署名を県に届けました。
 これほどまでに「環境を守る会」初め、地元住民を駆り立てるものは、ひたすら
に三河湾沿岸の穏やかで安心して住み続けられる環境を孫子の代まで残して
やりたい、との一心であります。
 残念なことに、生田地区には昭和57年に当時の三共資源によって開業された
産業廃棄物最終処分場があり、幾多の変遷を経て平成18年3月には、事業
半ばにして愛知県より許可が取り消され、その後に必須とされている水処理も
なされないまま10年も放置されています。言わば、このことの負い目、弱みに
付け込んで入り込んできたのが件の産廃業者です。そして、その負い目が
大きな障害となって、地元の人がこぞって大きな声をあげられないという悲しい
現実もあります。
 しかし、目の前にある放置されたままの産廃跡地から目を背けることはでき
ません。現在は、愛知県が年2回水質検査を実施していますが、廃棄物処理法
に則った検査ではありません。今のところは異常が無いとのことですが、異常が
あってから、汚染水が海水域等に漏れ出してからでは全てが遅いのです。先の
賛成討論にもありましたように、三河湾の豊かな自然環境はあまねく西尾市民が
享受しているものであります。アサリ・うなぎ・えびせんべい・のり・ばら・菊・カー
ネーション・きゅうり、そして何より西尾市の誇るお茶、こうした多種にわたる地場
産業は豊かなこの自然が支えていてくれるものです。それらが汚水により、あるい
は、細かな煤煙により影響を受けるようなことになれば、計り知れない打撃・損害
を被ることになります。
 それを考えれば、安全な生活保全が犯されるような場合には、要望書にあるよう
にな産廃跡地に対して、許認可権者である愛知県と協力し行政代執行を!という
文言にも深く頷いていただけるものと確信いたします。
 そもそも、海辺にかような施設があるということが、自然災害の前では非常な脅威
となることは、原発の例を見ても明らかではありませんか。
 自然環境は、いったん失われてしまえばもう取り戻すことはできません。全ては
事が進んでしまってからでは、事が起きてしまってからでは遅い、との一念で繰り
返しの要望を重ねているわけです。
 現在、愛知県下には、不許可後に汚水処理がされず業者が放置している事例
は、本市以外に江南市に、また、埋め立て後、地下水調査がされず放置されて
いる最終処分場が8箇所あるということを考えますと、本市の産廃問題に対する
態度は、他の自治体にも大きな影響を与えるものと認識いたしております。
 以上の趣旨をご理解いただきまして満場のご賛同をお願い申し上げ、私の
原案賛成の討論といたします。